お母さんの味だそうだ

吐き出し

おかあさんの味、なつかしい家庭料理というものは皆にあるんだろうか。思い返すもあんまり記憶がない。

時々、ご飯を食べに行く定食屋さんがある。店主は60歳代の女性。私の勤務先にパートで勤めておられ、飲食店を再度開きたいとの夢をかなえるため退職。コロナ禍で飲食店の環境が厳しいさなかに開業。メニューは少なく、一人で切り盛り。大丈夫か余計な心配をし、月に一度は食べに行こうと決め、通っている。私はいつも空いているときに行くのだが結構忙しいようだ。良かったよかった。

何かのときに日本酒、酒蔵の話になり、唯一私が飲める甘くて美味しい甘酒の話をした。店主の、「お母さんが作ってくれていた米麴の甘酒が美味しかった、今はもう飲めない。」という話をきいて私の好きな甘酒を進呈することにした。私はスーパーに売っているよくある酒粕から作った甘酒のあの独特の風味がイヤだし生姜を入れて飲むのも好きじゃない。しかし、写真の灘菊酒造さんの甘酒は米麹のお米の甘さが際立つ甘酒。

先週、定食屋さんへ食べに行ったときこの甘酒を持って行った。今日、テイクアウトを取りに行ったときに「あの甘酒!まさにお母さんの甘酒だった。美味しかった~!もうね、取り寄せしたいと思って調べたわよ。」とコーフンして感想を言って下さった。「ほんとにお母さんの(甘酒の)味だったから飲みながら、おかーさーんて言ったわよ。」と。お母様は酒蔵レベルの美味しい甘酒を作っていらっしゃったんですねぇと驚き、作り方は分かるか尋ねるも すり鉢に麹を入れて布巾をかぶせて・・・という情景しか思い出せないとのこと。残念。

家も家庭も顧みない専業主婦だった母親。家は子供にとって戦時下の日本のようで。全くもって安らぎとか安心感とか無縁の場所だった。家と言うのはおとうさんが大きな企業に勤めていたので経済的には困らなかったのが唯一のプラスポイント。懐かしい味ってあったかな・・・

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