うちの話ではない。実家暮らしで同居の老親の世話を担っている独身のお嬢さんの話。結婚して車で20分のところにいる兄は週末だけたまに助ける程度、という話をしてくれた。ご両親の手助けを始めたころは感じなかったが、今はモヤモヤすることばかり、と気持ちを話してくれた。私は、親の世話をした分、外部に頼むといくらかかるのか費用を計算するよう提案した。買い物代行は一回一ヶ所につき550円~、二ヶ所で買い物すると1100円~に。それプラス2500円~、買い物付き添いなら1時間当たり3000円~という具合に。
私に色々話してくれた40歳代のお嬢さん。お父さんがガンの手術後、やせ細り酸素吸入器が手放せない。そうしているうちにお母さんの耳が聞こえなくなってしまった。落ち込みふさぎ込むお母さん。耳鼻科を回り、大学病院で検査をしても原因不明。ここのおうちも、だんだんご両親の出来られることが少なくなっていく。
「下手に手伝うと、次から全くやらなくなる。私の仕事になってしまう。」とおっしゃる。めちゃくちゃ分かる(笑)私もおじいちゃんの介助をしていた時、一度ひげを剃ってあげると二度と自分では剃らなくなってしまった( ´∀` )
お嬢さんは、自分の仕事休みの日は両親の通院やら○○に連れて行ってくれで一日終わってしまう。自分の休みの日なのに自分のために時間が使えない。最初のうちは親が可哀想に思っていたが段々イライラしてきて、最近では「私も仕事をしている社会人なんだから!」と言ったりしてしまうと顔をしかめていた。確か、彼女には買った犬を置いていってしまった兄がいた。「お兄さんは、手伝ってくれないんですか?」と聞くと車で20分ほど離れたところに結婚して住んでいたのだが、今は単身赴任で離れたところに居るという。それで週末帰ってきた時に頼んだりしているらしい。
私が思うに、世話を受けている者、公平に世話を分担しないといけない立場の者からの感謝の気持ちやねぎらいを感じられないため余計にお嬢さんの疲労度が増しているのではないか。私はお嬢さんに、ご両親のためにやってあげていることを、それぞれ業者に頼めばいくらかかるか計算してみるよう提案した。その分の金額をお兄さんや当事者の親御さんに請求するためではない、自分がやっているのにこれだけの価値があるという事を皆に認識してもらうためだ。
取引先が、高齢者専用住宅を経営している。建物にコンシェルジュが居るタイプだ。そこの料金表を見せてもらった事がある。家賃に加算される高齢者向けサービス料が月38,000円だった。38,000円には毎日の安否確認、来訪者、クリーニング、郵便や宅配の取次、困りごと相談、各種手続きアドバイスや代行、ゴミ出しなどが含まれる。家族と同居しておれば家族がやってくれるものばかりだ。という事は、同居してこれらの用事をしているなら38,000円分の価値はあるという事なんだなぁと思ったことがある。
前述のお嬢さんに伝えると、なるほど~~と。一度計算してみますと言っていた。彼女はそんなお疲れの日々なのにランニングを欠かさないらしい。距離は前より短くしてますけどね、と言っていた。えらいなぁと思った。
コメント